まち協では、良質な住宅ストック形成のための環境整備の一環として、住まい手が安心してリフォームに関する相談ができる窓口を設置し、県内の優良なリフォーム・増改築事業者との橋渡しをしていくことの可能性を検討しています。本制度立ち上げのための基礎データとして、事業者様のリフォーム事業への取組についてアンケートを実施し、このほど結果がまとまりましたので、概要を紹介いたします。
アンケート実施概要
- ●実施方法
「高齢者向け住宅改造施工業者登録制度」の登録事業者等(613者)を対象に実施。
調査票を郵送し、回答はメール、FAXもしくはWebとした。 - ●実施時期
2020年11月〜12月(締め切り12月4日) - ●回答状況
有効回答数51件(内 FAX46件、Web5件)
回収率 8.3%
受注形態
- 受注形態として最も多いのは、「自社物件のOB顧客からの直接受注」70.6%でした。
- 今回の回答者の多くは、新築工事を請け負い自社物件を持つ工務店であることが推察でき、積極的にリフォームの営業を行うというよりは、自社OB及びその紹介等による受注が多いと言えます。
質問:貴社でリフォーム・増改築工事をされる際の受注形態として該当する、最も多い項目、次に多い項目についてお教えください。
リフォーム・増改築の物件の種類
- リフォーム・増改築工事を行う物件の種類は、戸建て住宅が最も多いという回答が84.3%となっており、先の質問の結果とも符合しています。
- 「次に多い」ではマンションが51.0%となっています。
質問:貴社でリフォーム・増改築工事をされる物件の種類として、最も多い項目、次に多い項目についてお教えください。
リフォーム・増改築の工事額
- 最も多い工事価格帯は、「50万円未満」および「50万円以上100万円未満」となっており、これらを合わせると65.4%が100万円未満と回答しています。
- リフォーム工事については、比較的小規模な工事を主に行う工務店層であることがわかります。
質問:貴社でリフォーム・増改築工事をされる際の工事額として、最も多い項目、次に多い項目についてお教えください。
リフォーム・増改築の工事内容
- 修繕・メンテナンスが最も多いという回答が60.4%、次に多いという回答では設備の更新が50.0%となっており、この2項目をメインとする事業者が多いことがわかります。
質問:貴社でリフォーム・増改築工事をされる際の工事内容として、最も多い項目、次に多い項目についてお教えください。
リフォーム・増改築の工事の傾向
- 工事内容を工事額別にみると、「性能の向上」ではやや工事単価が高い傾向となっています。
※先の質問の工事額と工事内容の最も多い項目、次に多い項目のクロス集計
災害時の応急対応
- 災害時の応急修理等の対応については、「自社物件の応急修理が終われば対応可能」が最も多くなっています。
- 現実的には、災害の規模や被害状況により対応は当然異なりますが、「対応できない」との回答は少なく、人材や設備、備蓄等の面ではある程度対応可能な体制を保持している事業者が多いと考えられます。
質問:貴社では、大型台風や地震等の災害時に、被災住宅の応急修理等の対応が可能ですか。
今後のリフォーム提案
- 今後新たにどのようなリフォーム提案をすると良いと思うかをきいたところ、「耐震・断熱改修提案」が最も多く66.3%となっています。工事内容に関する質問で見たように、性能向上リフォームはまだ実績は多くないものの、新たな分野と感じていることがうかがえます。
質問:住まい手のリフォームへのインセンティブを高めるため、今後新たにどのような提案をするとよいと思いますか。(複数回答可)
まち協の新事業への参加意欲
- 「無料なら加入を検討したい」という回答が最も多かった一方、「有料でも加入を検討したい」という回答も12.9%ありました。アンケート調査の回答者は新規の取り組みに対しても前向きな事業者が多いと考えられ、情報提供や住まい手との橋渡しを行う会に対する一定のニーズは存在しており、会費等の設定次第で加入事業者はある程度見込めるのではないかと思われます。
質問:まち協では、県内の住まい手を対象にリフォーム相談窓口を設置し、ご登録いただいた事業者を紹介するほか、事業者向けの情報提供やWebノウハウ等の研修会を実施し、事業者間での成功事例等の共有・意見交換等を行う仕組みを検討しています。こうした会ができたら加入したいと思いますか。